ダメ出しとリテイク
- 八本 信平
- 8月9日
- 読了時間: 3分
皆さんも日常的に耳にしたことがある「ダメ出し」と「リテイク」という言葉。
どちらも何かをやり直す、改善するという文脈で使われますが、実はその言葉の裏には少し異なるニュアンスが隠されています。
さて、今回は そんな ダメ出しとリテイクについてご紹介いたします♫

「ダメ出し」が持つ、一方的な評価のニュアンス
「ダメ出し」は、日本語の俗語として定着した言葉です。 「欠点や問題点を指摘する」という意味合いで広く使われ、しばしば上司から部下へ、監督から出演者へといった、上下関係の中で一方的に評価を下すような場面で使われがちです。
この言葉には、「ここはダメだ」「やり直し」というように、ネガティブな側面や不合格の烙印を押すようなニュアンスが含まれています。
そのため、言われた側は「否定された」「怒られている」と感じてしまい、精神的な負担につながることも少なくありません。
ちなみに、監督から出演者への言葉は「ダメ出し」と思う方もいるかもしれませんが、基本的にこの場合は「リテイク」が正しいです。※ダメ出しだったという事も無い訳ではありません。
次は、そんな「リテイク」が持つ、前向きな再挑戦のニュアンス
「リテイク(retake)」は、英語の「再度撮る」「撮り直す」が語源です。 映画や写真撮影、音楽制作などのクリエイティブな現場でよく使われる言葉で、より良い作品を生み出すために前向きな再挑戦を促すニュアンスが強いのが特徴です。
例えば、「このシーンはもっと感情を込めてみよう」と監督が言う場合、それは「今の演技がダメだった」という否定ではなく、「もっと素晴らしい表現ができるはず」という期待を込めた「リテイク」の指示です。
この言葉には、目標達成に向けた建設的なフィードバックという意味合いが含まれています。
「リテイク=ダメ出し」といった捉え方も「ダメだったからやり直させられる」という、少し否定的な意味合いで捉えられることが増えたのかもしれません。
言葉は時代とともに変化していくものなので、こうした使われ方の変化も自然なことかもしれません。
言葉の選び方一つで、受け取り方は大きく変わる
「ダメ出し」と「リテイク」の違いは、単なる言葉の使い分け以上の意味を持ちます。
「ダメ出し」:評価・批判
「リテイク」:改善・再挑戦
もし、あなたが誰かに何かを改善してほしい時は、「ここがダメだ」と切り出すのではなく、「ここをもう一度やってみよう」と伝えるだけで、相手の受け取り方は大きく変わるはずです。
言葉が持つ力を理解し、建設的で前向きなコミュニケーションを心がけることで、より良い関係性を築くことにつながると思いますよ。
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